学位論文 ·日本語 ·未確認
日本語学習者の「と思う」と「と思っている」の使い分け : 日本語学習者との比較から
- 刊行年
- 2018-03-25
- 出版
- National Institute of Informatics
- 言語
- 日本語
- openalex
- W7145863293
- URL
- https://tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp/records/6925
要旨
日本語教育において、「と思う」と「と思っている」は初級段階で導入される文法項目である。しかし、導入されているとはいえ、適切な使い方に至るまでの指導がなされているとは言えない。中上級の日本語学習者でも「と思う」を多用し、「と思う」と「と思っている」をきちんと使い分けできていない状況である。本稿は、日本語学習者の「と思う」と「と思っている」の使い分けについて、協力者の属性(日本語母語話者、上位群、中位群、下位群)によりどのような違いがあるか、用法によりどのような違いがあるか、知識レベルと「産出」レベルの差から検討した。また、調査方法として、文完成テストと選択肢問題テストを用いて調査を実施した。その結果、知識面においては、日本語学習者の日本語の習熟度の上昇とともに、「と思う」と「と思っている」の使い分けの習得が進んでいることが明らかになった。一方、書く「産出」の側面においては、日本語母語や日本語学習者の上位群と比べ、中位群の日本語学習者にとっては「と思う」と「と思っている」の使い分けが難しいことが分かった。また、「と思う」と「と思っている」の用法に関しては、「判断の継続性」は「人称の制限」より学習者に習得されやすいことが明らかとなった。さらに、制限を加えた「産出」や自然な産出において、日本語母語話者に対し、日本語学習者は「と思っている」の産出が難しいことが明らかになった。これらのことから、日本語教育の現場においては、「と思う」と「と思っている」の使い分けは「人称の制限」と「判断の継続」この二つ意味用法だけではなく、心的距離、思考者の確信の強さ、モダリティなどの観点から説明を加える必要がある。また、「と思う」と「と思っている」の「人称の制限」の用法に関しては、上級日本語学習者になっても、必ず習得しているわけでもなく、「人称の制限」を強調して教えるべきであると考える。さらに、日本語学習者は中上級になっても「と思っている」をなかなか産出できないため、日本語学習者の習得した知識を産出まで指導する必要がある。
主題
この書誌の出所
- openalex— W7145863293(2026-08-13取得)
引用キー: テンガイ2018日本語学習者のと思う