論文 ·日本語 ·未確認

平仮名字体の成立過程

中山 陽介

刊行年
2025-02
収録
『國學院大學紀要』 63 pp. 61-86
出版
國學院大學
crid
1390584870601900288
uri
https://k-rain.repo.nii.ac.jp/records/2001372
ndl_bib_id
034033821
issn
02865823
doi
10.57529/0002001372
URL
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390584870601900288

要旨

平仮名は漢字が崩されて成立したが、平仮名の各字体が漢字のどのような形からどう崩れて出来たかの具体的な過程は、従来、詳しく検証されてこなかった。本稿では、以前筆者が論じた字形の簡略化の分析方法を更に深め、十世紀の仮名資料に常用される基本的な平仮名の字体全般について、成立過程を詳しく考察する。まず、平仮名の成立過程について筆者のこれまでの研究成果を要約した上で、中国古文字学で論じられている漢代草書の成立時の簡略化法則と比較しながら、平仮名の分析方法を確認する。次に、平仮名成立途上の段階を示す現存資料を用いて、字源の漢字字体から平仮名の形になるまでの変遷過程を図示し、各字の各段階に見られる形の変化が、どのような変形法によっているかを、細かく分析する。筆者が以前提唱した平仮名の簡略化の六法「繋ぎ・接ぎ・省き・約め・縮め・均し」を更に細分化した項目に当てはめながら、平仮名の字体が確立するまでにこれらの法則がどのように働いているかを草書とも比較しながら考察し、次のようなことを明らかにする。第一に、平仮名には筆順の変化は見られないこと。第二に、草書の成立時に重要な役割を担った、字の一部分を省き去る「省法」などが平仮名にはあまり見られないこと。第三に、画を短縮する「縮め」の法が、漢字本来の結構を大きく変化させる効果を持ち、漢字字形からの乖離がこれによって大きく進められていること。第四に、転折を均して曲線を多くする「均し」の法によって仮名の筆画の性質が変化し、平仮名独特の丸みを持った書法が確立すること。以上によって、平仮名の簡略化の原理が草書とは大きく異なり、「縮め」「均し」が平仮名独特の法則として、平仮名成立の上で重要な働きをしていることを論じる。

主題

この書誌の出所

  • cinii— 1390584870601900288(2026-08-12取得)

引用キー: 中山2025平仮名字体の成立過程

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