論文 ·日本語 ·未確認

歌と宣命・祝詞における構文上の差異 : 「如し」の場合

佐佐木, 隆 Sasaki, Takashi

刊行年
2007-03-26
収録
『人文』 pp. 194-174
出版
学習院大学人文科学研究所
crid
1050001202933670528
hdl
http://hdl.handle.net/10959/1302
uri
https://glim-re.repo.nii.ac.jp/records/1206
issn
18817920
URL
https://cir.nii.ac.jp/crid/1050001202933670528

要旨

『続日本紀』の宣命、『延喜式』の祝詞、『萬葉集』の歌を資料として、上代日本の散文と韻文との間にどのような語結合の差異があったのか、ということを明らかにするのが本稿の目的である。この目的を果たす方法はいくつか想定することができるが、今回は助動詞の「如ごとし/如ごと」を選び、散文である宣命・祝詞と韻文である和歌とでは語結合にどのような差異があったのかを、徹底的に調査し考察を加えた。  その結果、次のようなことが判明した。まず、宣命には次の三種の結合が認められる。 Ⅰ[…体言+の+如く(/如)] Ⅱ[…活用語連体形+が+如く] Ⅲ[…活用語連体形+こと+の+如く] 一方、同じく散文である祝詞には、ⅠとⅢの2 種の用例はあるが、Ⅱには1 つも用例がない。ⅡとⅢの形式は、活用語の連体形と「如く/如」とを結び付けるものだという点で、たがいに同じ機能を持つ。その機能を果たすものとして、祝詞の表現では、Ⅱの形式よりも重々しい口調を持つⅢの形式を用いたと推定できる。 和歌の表現にも、以上の3 種の形式に属する用例がある。しかし、それだけでなく、宣命と祝詞には認められない次の形式の用例が多数ある。 Ⅳ[…活用語連体形+如く] この形式は、活用語の連体形と「如し/如」を、助詞「の」「が」などを用いずに結び付けるものである。宣命と祝詞とにⅣの用例が1 つもないのは単なる偶然ではなく、Ⅳの形式は和歌にしか用いない、特殊なものだったと考えられる。 以上のことから、『古事記』『日本書紀』や諸国『風土記』などに見える「如」字の一部について、それらの訓読の適否を判定することが可能となる。つまり、これらの文献のなかで、「如」字の直後に活用語として訓ずべき字が位置する例の場合、その部分をⅣの形式に訓読することは不適切であり、Ⅱの形式に訓読するのが適切である。 『古事記』には、「如」字が百例以上ある。そのうち、「如」字の直後に活用語が位置する可能性のあるものは十数例あり、それらのなかには、実際に注釈書でⅣの形式に訓読されているものがある。本稿の末尾では、十数例の1 つ1 つについて訓読の適否を検討した。

この書誌の出所

  • cinii— 1050001202933670528(2026-08-13取得)

引用キー: 佐佐木2007歌と宣命祝詞における

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