論文 ·日本語 ·未確認
中世語複合動詞の主体敬語の敬語形
- 刊行年
- 2022-01
- 収録
- 『国立国語研究所論集』 pp. 17-36
- 出版
- 国立国語研究所
- 言語
- 日本語
- crid
- 1390853796575513088
- uri
- https://repository.ninjal.ac.jp/records/3528
- naid
- 120007184731
- issn
- 2186-1358
- doi
- 10.15084/00003511
- ndl_bib
- R100000136-I1390853796575513088
- URL
- https://cir.nii.ac.jp/crid/1390853796575513088
要旨
本稿は,中世語における複合動詞の主体敬語形の実態を明らかにした。中古語には前項と後項が敬語独立動詞になる「両項敬語形」がみられるが,中世語にはそのような形がみられない。中世語には,「敬語独立動詞+動詞+る・らる」のような,複合動詞の前項が敬語独立動詞になり,更に後項に敬意を表す助動詞を用いる「両項敬語形」があるが,中古語にはその形がみられない。従って,中古語と中世語では複合動詞の敬語形の用い方に差があると考えられる。そこで,中世語を中世前期と中世後期に分け,中世語にもみられる,中古語と同じ形の「一項敬語形」が中古語と同じ使い方であるかどうかについて確認した。その結果,中世語の複合動詞が敬語形になる場合,異なる形で敬意差を表し分けていることが分かった。中世前期では,2種類の敬語独立動詞を有する動詞は,より敬意が高い敬語独立動詞を用いる形と,一般的な敬語独立動詞を用いる形で敬意差を表す。1種類の敬語独立動詞しか有さない動詞は,「敬語独立動詞+後項」に更に尊敬の助動詞を後接させる形と,「敬語独立動詞+後項」や「前項+後項+る・らる」の形で敬意差を表す。中世後期では,2種類の敬語独立動詞を用いる複合動詞がみられない。1種類の敬語独立動詞しか有さない動詞は,「敬語独立動詞+後項+る・らる」や「前項+後項+せらる・させらる」と,「前項+後項+る・らる」の形で敬意差を表す。ただし,中世語の複合動詞の例数は多いが,複合動詞の敬語形の例数は少ない。複合動詞を敬語形にすることが減少したものと考えられる。
主題
この書誌の出所
- cinii— 1390853796575513088(2026-08-12取得)
- ndl— R100000136-I1390853796575513088(2026-08-12取得)
引用キー: 呉2022中世語複合動詞の主体