報告 ·日本語 ·未確認

文法・語彙構造の歴史変化の方向性に関する認知・機能言語学的研究: 日韓語を中心に

哲治 守屋 Tetsuharu Moriya

刊行年
2007-05-01
出版
National Institute of Informatics
言語
日本語
openalex
W7144318203
doi
10.24517/00052848
URL
https://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=46516&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1

要旨

本研究は、日本語と韓国語を中心に文法・語彙構造の歴史変化の方向性に関わる法則性を明らかにすることを目的としたが、主として法助動詞、否定、継続相の副詞に関して研究成果を挙げた。法助動詞については次の点が明らかになった:(1)英語および関連したヨーロッパの言語の法助動詞の発達ではdconticの意味からepistemicの意味が派生したと考えられているが、日本語の法助動詞にはそのような発達経路は当てはまらない。韓国語も日本語と同様である。(2)英語と日本語や韓国語との発達経路の違いを生む要因は、法助動詞の元となる語の品詞的意味特徴に依存する。また、日本語と英語は表面的には異なる発達経路を辿るが、主観化などの共通の意味変化も観察される。このことは、文法化がいくつかの意味変化の複合したプロセスであることを示唆する。また、日本語と韓国語の並行性に関しては文化類型論的要因が関与している可能性を指摘した。否定の発達に関しては、日韓対照を中心とした。韓国語の文否定辞が,Jespersen's Cycleに沿った発達をしていると考えられるのに対して、日本語は一貫して助動詞として動詞に後置されている。このような違いは韓国語の否定辞が語順の制約が緩い副詞起源であるのに対して、日本語の場合は語順の制約がきつい助動詞であることが原因と考えられる。Jespersen's Cycleのような機能的動機付けも、個別言語の要因、特に元となる語の範疇によって適用が制限されることを主張した。継続相の副詞に関しては、英語stillと日本語「まだ」は意味的に類似しているが、意味拡張のパターンが異なることを指摘し、この違いは基本的意味の違いから由来すること、さらにそのような違いは当該の副詞だけに関与するのではなく、英語、日本語、韓国語、ドイツ語などの継続相の副詞には全体に当てはまる、一般性の高い法則であることを示した。

この書誌の出所

  • openalex— W7144318203(2026-08-13取得)

引用キー: 哲治2007文法語彙構造の歴史変

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