論文 ·日本語 ·未確認

「部分のヴォイス表現」という文法的カテゴリー ―使役と受身と自ㆍ他動を中心に―

大塚俊秀

刊行年
2004-06-01
言語
日本語
openalex
W3177182936
mag
3177182936
issn
1225-1453
URL
https://openalex.org/W3177182936

要旨

ヲ格(対格)名詞が文主語の部分にあたる場合のヴォイス体系を「部分のヴォイス表現」という一つの文法的カ テゴリーとしてとらえ、すなわち、この文法的カテゴリーは、従来の「ヴォイス体系の再帰性(再帰用法の他動詞 文、再帰動詞文)」よりも、より精度の高い特異性を抽出しようと試みた。日本語や韓国語では、西洋語に見ら れるような、はっきりとした再帰構文を把握するには、多少無理があるが、「部分のヴォイス表現」というカテゴ リーならば、日本語や韓国語にも有効な文法的カテゴリーになりえる。主語への「働きかける」(動作主中心(他 動、使役動詞(使役的他動)、使役の場合))という、または「働きかけられる」(被動作主中心(受身の場合))とい う「求心性」、主語と対格補語が全体・部分の関係にあるという「(部分的)含有性」を明確に把握する。特に、 従来の研究では、ヲ格の身体名詞、身体的部分としてのみ捉えられがちだった「部分性」をより詳細に、外面 的・内面的・側面的の3つの「部分」に下位分類した。ただし、例えば、部分の使役文「頭を悩ませる」のよう に、身体名詞である「頭」もここでは、精神的な意味を表し、必ずしも外面的(物理的)な身体ではないというよう な例が、「部分の受身」より「部分の使役」に多く感情動詞に近い場合が多いという、多少の傾向上の差があ る。 従来の「持ち主の受身(所有受動)」などに関連する「所有性」を「(部分的)含有性」「(所有権的)占有 性」「親族関係性」の3つに下位分類し、そのうちの「(部分的)含有性」のみだけに絞って「部分のヴォイス 表現」という文法的カテゴリーを確立しようと試みた。なぜならば、「(部分的)含有性」のみにおいて、表層上 の項の数と意味上の参与者(物)の数が一致せず(一減少)、「(所有権的)占有性」および「親族関係性」の場 合は表層上の項の数と意味上の参与者(物)の数が一致するからである。このことは、「(部分的)含有性」の場 合のみにおいて、二重同格文をつくりやすいことからもわかる。 基本文における「ノ格(所有格)」の下位分類は独自のものである。すなわち、「部分のノ格」「関係者のノ 格」「所有物のノ格」の3つに下位分類した。たしかに「誰々を母(妻)にもつ」「美しい顔をもつ」などのよう に、関係者や身体部分をまるで所有物のように比喩する表現があるが、厳密に違う意味として区別すべきであ る。「所有物のノ格」の場合は「まともの所有」とでも言え、それ以外は「擬似所有」とでも言えると思われ る。

主題

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引用キー: 大塚俊秀2004部分のヴォイス表現と

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