論文 ·日本語 ·未確認
外来語の漢字表記と訳語
- 刊行年
- 1995-06-10
- 出版
- National Institute of Informatics
- 言語
- 日本語
- openalex
- W7144817669
- URL
- https://iwate-u.repo.nii.ac.jp/records/12701
要旨
日本語の語葉の中には、外国のさまざまな事物との接触によってもたらされたものが含まれている。それは、「外来語」と「訳語」の二つに大別されるが、『国語学大辞典』(1)では、それぞれ次のように定義されている。外来語他国の言語体系の資料(語・旬・文字・等)を自国語体系に借り入れて、その使用が社会的に承認されたもの。借用語とも呼ぶ。(楳垣某氏執筆)訳語外国語を自国語に翻訳して受け入れた語。広義には文章を翻訳する際のすべての置き換え語、たとえばriver→川、dog→犬なども含まれるが、狭義にはphilosophy →(希)哲学、ethics→倫理学のように在来の語で置き換えられない外国語に対する新規の造語を言う。(森岡健二氏執筆)つまり、外国語をそのままの形で(ただし、発音は日本の音韻体系に従って変更される)取り入れたものが「外来語」、日本語(漢語を含む)に置き換えて取り入れたものが「訳語」というわけであり、同じく外国語の受容と言っても、方向性は全く逆であると言える。ところが、飛田長文氏によると(2)、江戸時代の蘭学者たちの翻訳法には「対訳」「義訳」「直訳」があり、「対訳」は「日本と西洋とでもともと指示する内容に相違のない訳語」すなわち前述の「広義の訳語」に相当、「義訳」は「日本文化に存在せず西洋文化の移入によって生じた訳語」すなわち同じく「狭義の訳語」に相当、そして「直訳」は「外来語・外国語」に相当するものであり、それらを「訳字」と総称していたという。つまり、蘭学者たちの目的はとにかくオランダ語を漢字に置き換えることであって、ここでは「訳語」と「外来語」の区別は翻訳方法の違いに過ぎないことになる。それは現代風に言えば「意訳」と「音訳」の違いになる。原語の「意味」と「音」を「訳語」と「外来語」とで担い分けたことになる。しかし、「外来語」は、外国語の音だけを表わすものである以上、「外来語」だけでは意味を知ることができない。この欠点を克服するために、先人はどのような工夫をしたのであろうか。項を改めて、その表記上の工夫をたどってみよう。
主題
この書誌の出所
- openalex— W7144817669(2026-08-12取得)
引用キー: 悟1995外来語の漢字表記と訳