論文 ·対照・比較 ·未確認
琉球語の言語バラエティに基づくヴォイス体系の記述とその歴史的変異の研究
- crid
- 1040000781904930688
- kaken
- 16J05135
- jgn
- JP16J05135
- uri
- https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16J05135/
- URL
- https://cir.nii.ac.jp/crid/1040000781904930688
要旨
平成29年度は、首里、平安座島、伊平屋島、与論島方言相互の比較と方言個別の調査記述・琉球語内のヴォイス構造、意味、形式の発展の考察を行った。 1年目は現代日本語と首里方言のヴォイス特徴に基づいた統一の調査票を作成し、調査を実施したが、1年目の調査結果や成果をふまえながら調査票を改訂した。具体的には、個別方言の記述を進めていくなかで、調査に漏れが見つかる、あるいは、新しく確認すべき事象や追加しなければならない項目が発生したため、調査票に追加し、与論島、平安座島にて再調査を行った。また、新たに設定した調査地点(伊平屋島)では、方言学習のための教材がなかったため、上記の調査分析と並行して、現地の方と相談・協力しながら、これまでに関わってきた方言教材作成の経験を活かして方言テキストを作成しはじめている。このことによって、地域への研究成果の還元を図っている。さらに、研究データとして利用可能な談話資料(民話や語り、話者同士の会話)が存在する場合は収集した。 調査で得たデータをもとに、方言個別の分析・記述を行いながら、それぞれのヴォイス体系をまとめた。類型論的あるいは琉球語内での対照において重要となる点や言語理論への貢献が見込まれる点については、適宜、研究会・学会等で報告し、その方言や分野を専門とする研究者と議論することでフィードバックを得た。特に受入研究者とは定期的に勉強会等を行い、申請者の分析や記述を検討していただいた。今年度は、特にヴォイスの受影性に関する分析を深化させた。与論島では、受動動詞の接辞-aariに、文法化の帰結として受動化以外の機能が備わっていることがわかった。具体的には、-aariが別の動詞接辞-tiと共起し、通常の受動化に伴う文法交替を行わずに受影的意味を付加するのである。同構文を<受影構文>と呼び、その統語・意味的性質を明らかにし、機関誌へ投稿し、受理されている。
主題
この書誌の出所
- cinii— 1040000781904930688(2026-08-12取得)
引用キー: 當山琉球語の言語バラエテ