論文 ·日本語 ·未確認
「タヨリ」の漢字表記の史的変化
- 刊行年
- 2007-03-31
- 出版
- National Institute of Informatics
- 言語
- 日本語
- openalex
- W7144099606
- doi
- 10.18999/nagl.1.15
- URL
- https://nagoya.repo.nii.ac.jp/record/2002028/files/nagl_1_15.pdf
要旨
現代日本語における「タヨリ」には「連絡,通信を伝えるもの」「助けやよすがとなるもの」というそれぞれの意味によって「便り」「頼り」という別表記が行われている。しかしこのような表記の分化が行われたのは近代期以降のことで,近代以前の「タヨリ」の漢字表記にはその意味に関係なくそのほとんどに「便り」という表記が用いられていた。そして近代期に入り「助けやよすがとなるもの」としての「タヨリ」の表記に「頼り」が用いられることが多くなったことで,現代日本語に見られるような「便/頼」による「タヨリ」の意味区分が行われたが,この意味区分には近代期に成立した新制度の一つである「郵便」が影響を与えたと思われる。「郵便」という語の普及は「便」という字に通信業のイメージを強く抱かせ,「便り」という表記から「助けやよすがとなるもの」の意を排除したのである。そのため「助けやよすがとなるもの」を表すには「頼り」という別表記が必要となり,意味による表記の分化が行われたのである。
主題
この書誌の出所
- openalex— W7144099606(2026-08-12取得)
引用キー: 芝賢2007タヨリの漢字表記の史