論文 ·日本語 ·未確認
味覚表現の「おいしい」と「うまい」 ―ビールの広告用語からの検討―
- 刊行年
- 2017-03-28
- 収録
- 『弘前大学教育学部紀要』 117 pp. 1-7
- 出版
- 弘前大学教育学部
- crid
- 1050001202538799104
- hdl
- http://hdl.handle.net/10129/6254
- uri
- https://hirosaki.repo.nii.ac.jp/records/2625
- ndl_bib_id
- 028186616
- naid
- 120006360297
- issn
- 0439-1713
- URL
- https://cir.nii.ac.jp/crid/1050001202538799104
要旨
現代語の形容詞「おいしい」は、「味が良い」ことを表現した古語「うまし(うまい)」を女性たちが「おいしい (いしい)」と言い換えて使用し始めたことに由来1)するものである。江戸時代の往来物資料には、同義語であり つつ使用者の性別を分化する「うまい」と「おいしい」の両語形が確認できるが、意味としては「おいしい」は、 「味が良い」ことに限定されていた。「おいしい」の使用者は、当初は女性だけであったが、その後、男性にも波及 し、現在では「味が良い」意として一般的に使用されている。ビールの広告用語では、「おいしい」より「うまい」 が多用されており、「うまい」は、「おいしい」の誕生によって敬意が低減した一方で、味覚表現の「おいしい」に 比して、より強調的で断定的な意味を有する語として機能していると考えられた。他方、近年、「おいしい生活」 「ヱビスは時間をおいしくします」といった「味が良い」意味でない、新しい用法が生まれ、定着しつつある。そ の背景には、「おいしい」が、古い語形「うまい」がもつ多様な意味に影響されて、意味を拡大派生させた一面があると考えられるであろう。
主題
この書誌の出所
- cinii— 1050001202538799104(2026-08-12取得)
引用キー: 郡2017味覚表現のおいしいとa