論文 ·日本語 ·未確認
日本語の指示詞における直示用法と非直示用法の関係について
- 刊行年
- 1999
- 収録
- 『自然言語処理』 6(4) pp. 67-91
- 言語
- 日本語・英語
- DOI
- 10.5715/jnlp.6.4_67
- ISSN
- 1340-7619
- J-STAGE
- jnlp1994
- OpenAlex
- W2324327031
- MAG
- 2324327031
- URL
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnlp1994/6/4/6_4_67/_article/-char/ja/
要旨
日本語の指示詞の3系列(コソア)は, いずれも直示用法とともに非直示用法を持つ. 本稿では「直示」の本質を「談話に先立って話し手がその存在を認識している対象を, 話し手が直接指し示すこと」ととらえ, ア系列およびコ系列では直示・非直示用法にわたってこの直示の本質が認められるのに対し, ソ系列はそうではないことを示す. 本稿では, ア系列の非直示用法は「記憶指示」, すなわち話し手の出来事記憶内の要素を指し示すものであり, コ系列の非直示用法は「談話主題指示」, すなわち先行文脈の内容を中心的に代表する要素または概念を指し示すものと考える.「記憶指示」も「談話主題指示」も上記の直示の本質を備えている上に, ア系列およびコ系列の狭義直示用法において特徴的な話し手からの遠近の対立も備えているという点は, ア系列およびコ系列の非直示用法がともに直示用法の拡張であることを示唆している. さらにさまざまなソ系列の非直示用法を検討した上で, ソはコ・アとは異なって, 本質的に直示の性格が認められないことを論じる. 非直示用法のソ系列は話し手が談話に先立って存在を認めている要素を直接指すためには用いられず, 主に言語的な表現によって談話に導入された要素を指し示すためた用いられる.またソが, 「直示」によっては表現できない, 分配的解釈や, いわゆる代行用法等の用法を持つことも, ソがアやコと違って非「直示」的であるという主張と合致する.
主題
この書誌の出所
- jstage— 10.5715/jnlp.6.4_67(2026-08-12取得)
- openalex— W2324327031(2026-08-13取得)
引用
金水 敏・Satoshi Kinsui(1999) 日本語の指示詞における直示用法と非直示用法の関係について 『自然言語処理』 6(4) pp. 67-91
金水1999日本語の指示詞におけ