論文 ·日本語 ·未確認
日本語のヴォイス体系における再帰態の妥当性の検討
- 刊行年
- 2026-01-16
- 収録
- 『研究論集』 25 pp. 187(左)-208(左)
- 出版
- 北海道大学大学院文学院
- 言語
- 日本語
- crid
- 1390588667313409792
- hdl
- https://hdl.handle.net/2115/98771
- issn
- 2435-2799
- doi
- 10.14943/rjgshhs.25.l187
- openalex
- W7144199280
- URL
- https://cir.nii.ac.jp/crid/1390588667313409792
要旨
本稿は,日本語におけるヴォイス体系の中で再帰態が占める位置とその有効性を検討するものである。従来研究においては,能動・受動・使役を中心とするヴォイスの枠組みは概ね共有されているものの,自他対応,可能態,再帰態といった周辺的カテゴリーの扱いについては議論が分かれ,日本語のヴォイス記述に一貫性を欠いてきた。さらに,能動は形態的に無標であるため,受動や使役と同列に論じることの妥当性にも問題がある。本稿ではまず,能動・受動・使役を中心とする従来のヴォイス定義と分類を先行研究に基づき整理し,自他対応,可能態,再帰態など周辺的カテゴリーの扱いに揺れがあることを指摘する。次に,一般言語学の枠組み,とくにShibatani(2006)や Zúñiga & Kittilä(2019)の理論を参照し,ヴォイスを形態的変化に限らない概念的カテゴリーとして再定義し,再帰態を中動態の中核として位置づける立場を確認する。 日本語では形態的な再帰標識や再帰動詞は存在せず,再帰性は意味や文脈によって解釈されるため,伝統的なヴォイスの定義(形態変化・格交替)に基づいては再帰態を明確に区別できない。しかし,意味論・認知意味論的視点を導入することにより,再帰態をヴォイス体系に含める理論的基盤を構築することが可能であることを示す。
主題
この書誌の出所
- cinii— 1390588667313409792(2026-08-12取得)
- openalex— W7144199280(2026-08-12取得)
引用キー: 黄2026日本語のヴォイス体系