論文 ·用例に日本語 ·未確認
On "Sakuteiki", an old Literature about Japaneses Gardening.
- 刊行年
- 1938-01-01
- 収録
- 『Transactions of the Institute of Japanese Architects』 9(0) pp. 203-212
- 言語
- 英語
- openalex
- W2588395639
- doi
- 10.3130/aijsaxxxx.9.0_203
- mag
- 2588395639
- issn
- 0387-1169
- URL
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/aijsaxxxx/9/0/9_KJ00001745525/_pdf
要旨
作庭記が我邦往時の造園法を傅へる古書として貴重な文獻であることは、庭園學或は建築學の歴史的研究に從事せる一部學者の間に於て夙に認められたる所である。乍併、その著作年代並に關する意見には種々なる異説があつて、未だ一般的に確認されたる定説は存在しない。 何分檢索の困難な古書のことであり、研究者はわづかに群書類從の作庭記刊本によつて、その内容を知るに過ぎなかつた次第であるから、研究の手段及び方法も當事者夫々の立場に偏せる結果、欺くの如く態々なる異説を生ずるに至つたことも亦當然であらう。 然るに今般私は作庭記原本の副本(原本を影寫せるもの)に就て、親しく研究する機會を得たるによつて、茲に淺學菲才を顧みず、その成績を發表する次第である。 扨て作庭記の原本は、現在金澤市十間町住谷村庄平氏の所藏にかかり、昭和10年文部省によつて國寶に指定されたるものである。而して之を影寫したる副本が大倉精神文化研究所によつて保管されてゐるのである。副本は專問の技術者によつて、可及的原本との合一を目的として影寫作製されたものであるから、原本自身に就てと略々同様の信頼を置くことが出來る。 飜つて作庭記の價値を考察するに、之は單なる造園史の參考史料たるに止らないやうに思はれる。作庭記の内容を覗知したる人々は均しく認むる所であらうが、夫は所謂寝殿造の庭園に就て計畫・意匠・施工等に關する各般の技法を説述したるものである。而して人も知る如く所謂寝殿造なるものは、藤原時代の公卿住宅の一規範として、住宅建築上重要なる意義を有するものであるが、蓋しその特徴とすることの一つは建築と庭園とが有機的な關聯ある一體として、或る約束の下にその相互的関係を規定されてゐた事であると考へられる。 此の約束の起因をなすものに當時の行事が有つた。行事が政治的意義を持つた祭〓として、當時の上流社會の生活と密接な關係を有し、深くその内に浸潤したることは周知の事實であらう。 此處に於て即ち、當時の公卿住宅の庭園は、行事の爲の實用園としての意義を重視せねばならぬと同時に、建築も亦庭園との關聯から考究察れるべき必要のあることを知るのである。 作庭記が建築史の資料としても相當の價値を附與得る所似は此に存するのである。 以下作庭記に關する私の研究は、その著作年代を考證することに焦点を置き、之に關しては略々結論を纒め得るに至つたのであるが、尚著者の問題に關しては、今後共研究すべき餘地が殘されてゐることをお斷りせねばならない。 何分、淺學菲才、過誤も亦多からんことも畏れると共に、諸賢の忌憚なき御批判と御叱責を賜らば、以つて幸とするところである。
主題
この書誌の出所
- openalex— W2588395639(2026-08-13取得)
引用キー: Hukuda1938SakuteikiOldLiterature