論文 ·用例に日本語 ·未確認
Balance for Daily Life - Voice-over in Naruse Mikio’s Film When a Woman Ascends the Stairs-
- 刊行年
- 2021-03-31
- 収録
- 『Korean Journal of Japanese Language and Literature』 88 pp. 353-373
- 言語
- 英語
- openalex
- W3154526012
- doi
- 10.18704/kjjll.2021.03.88.353
- mag
- 3154526012
- issn
- 1226-0576
- URL
- https://doi.org/10.18704/kjjll.2021.03.88.353
要旨
本稿では、成瀬巳喜男監督の映画『女が階段を上る時』(1960)に採用されたヴォイス·オーヴァー技法の特徴と機能を考察する。この映画では、ヒロインの矢代圭子が画面に登場せずに叙述者として語るヴォイス·オーヴァーナレーションと内面の心境を語るヴォイス·オーヴァーが映画の全般にわたって活用されている。成瀬は、説明的であり権威的特性 をも持つヴォイス·オーヴァーナレーションと、登場人物の主観性に深く関与するヴォイス·オーヴァーの両方の機能を圭子に付与している。このように、二つの役割を果たすヴォイス·オーヴァーは、銀座のバーのマダムである圭子という登場人物に特別な感情を持たせ、彼女の主観性に深く入り込むことにつながる一方で、説明的な権威性を通じて客観性を維持させる機能をも果たす。このようなバランスを通じて、特別あるいは特殊といえる圭子の物語ではなく、多くの人々の日常へつながる物語、成瀬が描く平凡な日常の話に還元され るといえる。成瀬の独特な視覚的演出とヴォイス·オーヴァー技法は、このような平凡な日常を描く成瀬の世界に符合する卓越した技法であることを明らかにしていく。
主題
この書誌の出所
- openalex— W3154526012(2026-08-12取得)
引用キー: No2021BalanceDailyLife